興信所とは、一般的に個人や企業からの依頼を受けて、依頼内容に沿った情報の調査や収集を業としている専門機関のことをいいます。
興信所の概念は1800年代に既にあったといわれており、1900年代に入り主に西洋で発展。日本では大正時代に初めて興信所が設立された記録が残っており、当時は主に結婚に関する情報収集だったと言われています。(なお、西洋では主に企業間での信用調査を目的として運営されていたようです。)
現代では多岐にわたる分野で活用されており、例えば浮気の証拠収集・家出人の捜索(人捜し)・結婚前の相手の身元調査、さらには企業間の取引先調査などが挙げられます。
このように幅広い分野で利用されている興信所。
当サイトでは「興信所でできること」をテーマに、対応している調査やその内容、費用目安、どのように選ぶべきか等についてまとめています。
まずは興信所でどのような調査ができるのかについて見てゆきましょう。
主な業務としては以下の5つの業務が挙げられます。
浮気調査 | 文字通りパートナーの浮気・不倫を調査する業務です。証拠の収集や報告だけでなく、裁判となった際に使用できる証拠書類(写真や行動記録をまとめたもの)の作成、その後のサポート(カウンセリングなど)までを行ってくれます。 |
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人捜し・行方調査 | 大切な人が家出してしまった、行方知れずになってしまった等で利用される調査です。警察に捜索願いを出したとしても、残念ながら積極的に調査してくれるものではありません。警察からの連絡を待ちつつ、ご自身でも探したいという方に利用されています。 |
素行調査 | 個人の生活態度や行動、そのパターン等を調べる調査です。「子供がちゃんと学校に通っているか」「パートナーがどのように働いているのかが知りたい」「社員がちゃんと仕事しているか」といったように、依頼内容は多岐に亘ります。 |
身元調査 | 対象者の過去や経歴を調べる業務です。結婚前に行うものを「婚前調査」、企業が雇用前に行うものを「雇用前調査」などとそれぞれ呼ぶこともあります。最近では新入社員がどのようなSNSをやっているのか等の調査も行っています。 |
企業調査 | 企業調査とは、取引先の企業が反社会的勢力では無いか、どのような実績があるのか等を調査するものです。主に契約締結前に相手方企業の信用性を調査する目的で利用されますが、ライバル企業の経営状況を調査する目的で利用されることもあります。 |
また、上記だけでなく最近では住まいに盗聴器やカメラが仕掛けられていないかを調査する「ストーカー調査(ストーカー対策)」に対応する興信所や、ペットの捜索を専門にした「ペット探偵」と呼ばれる興信所もあります。
さらに特定企業・ビジネスを対象にした調査もあり、例えば保険の不正受給や詐欺的な休業補償、代理店契約に不正が無いか等、保険会社向けのサービスを提供している興信所も存在しています。
興信所を利用する最も大きなメリットは、やはり自身で行った調査に比べて調査のレベル・質が圧倒的に高いという点でしょう。
特に、浮気調査に関しては証拠が得られないと慰謝料請求ができず(請求自体はできるが裁判になった場合は証明が必須)、不利な条件で離婚せざるを得ない恐れもあります。
黒だと言い切れるだけの証拠を集めてもらえるという点は、興信所を利用する大きなメリットと言えるのではないでしょうか。
また、個人で行う場合、どこまで踏み込んで良いのかが分からず、やりすぎて法に触れてしまう可能性も否定できません。
自身のみならず、対象者の法的プライバシーが守られ、安心して依頼できるという点も興信所を利用するメリットと言えます。
ただ、調査を依頼した場合は当然料金が発生してしまい、お財布と相談しつつどこまで調査をしてもらうかを決めてゆく必要があります。
それぞれの料金目安は以下の通りです。
浮気調査… |
浮気調査は2~5人体制で行います。1人当たりの費用が1時間当たり5千円から1万円ほどですので、例えば「1人頭1時間あたり8,000円の興信所で3時間調査をした場合」は合計で72,000円です。1回で証拠が得られれば安く済みますが、中々尻尾を掴めないと高額になってしまう可能性があります。 |
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人捜し・行方調査… |
人捜しは、調査難易度をランク付けし同ランクに応じて着手金や成功報酬を変動させる料金体系が一般的です。例えば、調査難易度が高い場合は着手金を高くして成功報酬を下げる(着手金40万円、成功報酬10万円など)ケースが多いようです。 |
素行調査… |
日本探偵業協会のアンケートを実施したところ、素行調査の人件費は1名1時間あたり7,500円から10,000円の興信所が約9割を占めているという結果になったようです。合計金額では、仮に調査員2名で3日間各6時間利用した場合、30~35万円未満が12%、35~40万円未満が20%、40~45万円未満で24%となっています。 |
身元調査… |
人員数が抑えられるため、浮気調査に比べると安くなるケースがほとんどです。おおよその相場は1日あたり2~5万円と言われているため、調査に5日を要した場合でも10~25万円+掛かった実費となることが予想されます。 |
企業調査… |
個人を対象にした軽微な調査であれば数万円で済むこともありますが、数週間ないしは数か月を要するような大規模な調査となる場合は料金もその分高くなり、50万円程度に上ることもあります。 |
このように、興信所は高額な料金が掛かるものの、調査専門のプロが担当するため、信頼性の高い結果が得られます。
しかしながら、不安な状況に付け込み不当な料金を請求する(事前に聞いていた料金と違う、わざと調査を引き延ばすなど)悪徳興信所が存在するのも一つの事実であり、利用の際には慎重な判断が求められます。
大手興信所は全国に支店があるため、原則として「全国対応」となっています。
しかしながら、調査場所によっては旅費や交通費等が掛かってしまう可能性があり、総合的な料金は地元の興信所の安くなる、という可能性も十分に考えられます。
そのため、まずはお近くの興信所で話を聞いてみる・見積もりをお願しつつ、大手興信所にも話を聞く、相見積もりを取るという形がベターでしょう。
【参考サイト】東京で興信所を探す
調査内容によりますが、浮気調査では10~100万円が一般的です。
興信所と探偵事務所は基本的には同じサービスです。取り扱っている業務によってどちらを用いるかが変わるケースが見られ、例えば法人向けの調査が多い場合は興信所、個人向けの調査がメインであれば探偵事務所を名乗るケースが多い印象です。
業として行う場合は探偵業法に基づく届出が必要です。また、実績や実際に利用した方の口コミなどで優良興信所かどうかを見定める必要があります。
通常、写真や動画などの行動の証拠をまとめたものを「調査報告書」として提供されます。同レポートは裁判の証拠資料として提出できるようにまとめられているのが一般的です。
調査員が出払っている場合もありますので、事前予約をした方が良いでしょう。現在では自宅にいながら相談(オンライン相談など)ができる興信所もあります。